福井県在住の方の高次脳機能障害に関する相談機関『福井県高次脳機能障害支援センター』です。

その他

　注意・記憶・遂行機能・社会的行動障害のほかに、神経疲労・左半側空間無視・病識低下・失語・失行・失認・空間認知の障害などが起こることもあります。

神経疲労（易疲労性）

　脳が傷つくことで、脳の回路が寸断されて使えなくなるために、脳が疲れやすい状態です。注意したり、覚えたり、考えたりするときにエネルギーを多く必要とするために起こります。
　具体的な症状として、あくびが多くなる、作業の後半にミスが増える、集中できない等がみられます。

　 こまめに休憩する習慣を付けましょう
　 疲れない無理のない範囲で作業を行いましょう
　 アクティブレスト（背伸びや簡単な体操など）を行う対処法を身につけましょう
　 少しずつ耐久性をつけていきましょう（少しずつ難易度を上げるなど）

左半側空間無視

　左空間への注意が向きにくくなります。左側の見落としや、左の壁にぶつかる、左側から話掛けられても気づかないなどの症状がみられます。車椅子では左側のブレーキだけをかけ忘れたりすることもあります。

　 左側に注意が向きやすいように環境設定しましょう
　 左側のブレーキを目立たせるなどの対処法をとりましょう

病識低下

　自身の症状に気付いていない状態です。できないことをできると言ったり、失敗していても問題として感じることができなくなります。そのため、人から注意されても耳を傾けられなかったり、否定したりしてしまいます。障害に気付いていないため、自身で対応策をとることも難しく、高次脳機能障害の対応として有効なスケジュール帳やメモ、チェックリストなどの活用が定着しづらいことも特徴です。

　 リハビリでの課題や社会生活での失敗を通して、苦手なことに気付きましょう。
　 苦手なことと障害を結び付けていくことも必要です。
　 大切なことは失敗後すぐに振り返ることです。

　　※ 失敗させすぎると、気持ちが沈んでしまうことがあるため、失敗させない方が良い場合もあります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　専門のリハビリスタッフなどに相談してみましょう。

失語

　普段使っていた言葉が上手く使えず、コミュニケーションが障害されます。理解はできるが話せないタイプや、理解も難しいタイプなど、人それぞれ症状が異なります。症状としては、言葉に詰まったり、適切な言葉遣いができず、「え〜っと」「あれ」「これ」といった言葉が多くなることがあります。良く話せても適切でない言葉がでてきてしまうこともあります。字を書くときや、文章を読むときにも起こります。会話が難しい方から、会話はできるがぎこちないといった方など、重症度も様々です。

　 周りの人は、ゆっくりと簡潔に話すようにしましょう。
　 落ち着いて話を聞けるようなリラックスした環境で話をしましょう。
　 言葉が分からなくても、話の内容を推測しながら、少しずつ聞きましょう
　「はい」か「いいえ」で答えられるような聞き方をすると良い場合もあります。
　 ジェスチャーなど、言葉以外のコミュニケーションも方法のひとつです。

失行

　麻痺などがないにもかかわらず、上手く手や足を使えなくなってしまいます。具体的な症状としては、チョキやバイバイなどの身振りができない、はさみを使えない、櫛を歯ブラシのように使ってしまうなど道具を上手く使えないとった場面がみられます。

　 周りの人が失敗がないように、手で誘導してあげたり、口に出して助言したりと、
　　 確実に動作が行えるようにしてあげることが大事です。
　 改善に伴い、少しずつ手伝いを減らしていくようにします。

失認

　普段ものを見たり、音を聞いたり、意識しなくても当たり前に判別できていたことができなくなる状態です。失認には多くの症状があります。見ても何かわからなくても触ったり聞いたりすると何かわかる（視覚失認）、人の顔が上手く判別できなくなる（相貌失認）、見慣れた町の風景が分からなくなる（街並失認）、自分の体をないように扱う（身体失認）、左右の判別がつかない（左右失認）など、様々です。

　 失認と呼ばれるものには、さまざまな種類があります。疑わしい症状があれば、
　　 リハビリテーションなどの専門機関に相談しましょう。