研修医2年目・中谷先生は、手指に限局した運動麻痺を呈した脳梗塞について論文をまとめられ、Cureus (IF=1.2)に掲載されました。
手指の単麻痺は末梢神経障害、手根管症候群、神経根障害などが含まれます。これに加えて、脳梗塞による麻痺も含まれます。
本症例は診察時に腱反射が正常で、明瞭な脳梗塞像を示していましたが、錐体路を障害しているのに、なぜ反射が正常になるのかという疑問がありました。
中谷先生は解剖学や放射線学からの知見からその理由を考察し、反射亢進の経路は錐体外路系の影響を受けること、脳表面では、その経路が分離していることを説明しました。
これまでに脳梗塞による手指麻痺で正常反射になると言及した論文はなく、アクセプトに至りました。
発表内容につきましては、第53回日本リハビリテーション医学会北陸地方会で発表したものとなります。
オープンアクセスとなっておりますので、興味のある方はご覧ください。
Nakaya Y, Hayashi K, Suzuki A, et al. Pure Motor Isolated Finger Palsy by Cerebral Infarction: Tips for Diagnosis by Neurological Examination. Cureus.2024; 16(2): e54390. DOI 10.7759/cureus.54390
https://www.cureus.com/articles/230879-pure-motor-isolated-finger-palsy-by-cerebral-infarction-tips-for-diagnosis-by-neurological-examination#!/